脱酸素剤の選び方
乾燥剤との違いやサイズの算出方法も解説!
食品の鮮度とおいしさを保つのには欠かせない脱酸素剤。密封した袋内の酸素を吸収し、酸化や食品の腐敗など、酸素による食品への悪影響を防ぎます。こちらでは人気のエバーフレッシュやキーピットの選び方と種類について説明します。使用用途に合わせて適切なものをお選びください。
脱酸素剤について
脱酸素剤とは?
主に酸化や劣化を防ぐために食品と一緒に包装し、容器内を無酸素状態にするためのものです。酸に起因する食品の変質を防ぎ、鮮度とおいしさを保ち長期保存を可能にします。
乾燥剤と脱酸素剤の違いは?
- ●乾燥剤
- ●脱酸素剤
袋内の水分や袋内に入ってくる水分を物理的に吸着し、食品を「パリパリ」「サクサク」の状態に保つ製品です。
空気中の酸素を鉄が錆びることを利用して袋内の酸素を吸収し、食品のカビの発生、酸化を防止する製品です。しっとりとしたお菓子に欠かせない油脂成分が酸化するのを防ぐことで美味しさを持続させます。ガス袋を使用するときは、脱酸素剤を使いましょう。
脱酸素剤のサイズの選び方・自動計算器
エバーフレッシュの規格選択の目安
脱酸素剤を選ぶ際は、保存したい食品や商品に適した規格を選ぶことが大切です。適切なサイズの脱酸素剤を使用しないと、酸素の除去が不十分となり、カビの発生や日持ちしないといった品質劣化の原因となる可能性があります。逆に、必要以上に大きなサイズを使うとコストが無駄にかかってしまうため、過不足のない容量設計が理想です。
なお、下記の計算式を使えば、袋の中に含まれる酸素量を簡単に計算することができ、適したエバーフレッシュの規格がわかります。商品や包装サイズに応じて、ぴったりの規格を選ぶ参考にしてください。
(縦cm×横cm×高さcmー食品の重量g/1)×0.21
<計算時の注意点>
- ● 一般的な食品の密度は 1g/ml として計算しています。
- ● 計算式中の 「0.21」 は、空気中に含まれる酸素の割合(21%)を意味します。
- ● 食品または商品が袋に入った状態でサイズを測定してください。
- ● 縦・横・高さの単位は センチメートル(cm) に統一してください。
<例>
図の大きさで重量が500gの場合、
【縦】18cm×【横】10cm×【高さ】5cmー【重量】500g)×0.21=84cc
よって、算出された数値に一番近いやや大きめの酸素吸収量100ccを選びます。
※ 計算後は、必ず実装テストを行ってください。
エバーフレッシュのサイズ自動計算器
脱酸素剤の種類
エバーフレッシュQJタイプ
空気に接すると、すぐに酸素の吸収を始めます。このタイプは酸素の吸収が早く、特に水分量の多い傷みやすい食品の保存に適しています。
| タイプ | 鉄系自力反応型 標準型(速効性) |
| 適用する食品 | 水分量が多く傷みやすい食品 |
| 商品使用例 | バームクーヘン、カステラ、人形焼き、パウンドケーキ、マドレーヌ、まんじゅう、半生菓子など |
| 水分活性値(AW) | 0.95以下 |
| 酸素吸収速度 | 0.5~1日 |
| 作業時間 | 2時間 |
エバーフレッシュLJタイプ
空気に接すると、すぐに酸素の吸収を始めますが、酸素の吸収は比較的ゆるやかで、作業しやすい利点を持っています。水分量の少ない食品に適したタイプです。
| タイプ | 鉄系自力反応型 標準型(遅効性) |
| 適用する食品 | 中水分~低水分の食品 |
| 商品使用例 | 米菓、クッキー、月餅、ナッツ類、緑茶、米など |
| 水分活性値(AW) | 0.75以下 |
| 酸素吸収速度 | 1~2日 |
| 作業時間 | 4時間 |
エバーフレッシュVQタイプ
QJタイプの機能に加え、酸素検知剤が付加されており、袋内の酸素状態が検知剤の色でひと目で分かります。酸素がある場合は紫色で、無酸素状態になるとピンク色に変化します。
| タイプ | 鉄系自力反応型 酸素検知剤一体型 |
| 適用する食品 | 水分量が多く傷みやすい食品 |
| 商品使用例 | バームクーヘン、カステラ、人形焼き、パウンドケーキ、マドレーヌ、まんじゅう、半生菓子など |
| 水分活性値(AW) | 0.60~0.90 |
| 酸素吸収速度 | 1~3日 |
| 作業時間 | 2時間 |
エバーフレッシュCタイプ
酸素と同時に焙煎コーヒーから発生する炭酸ガスを吸収します。サイズは炭酸ガスの吸収量を指し、同時に1/10の酸素を吸収します。
| タイプ | 鉄系自力反応型 コーヒー豆用 |
| 適用する食品 | 豆・粉類の炭酸ガスが発生する食品 |
| 商品使用例 | 焙煎コーヒー豆など |
| 水分活性値(AW) | 0.30以下 |
| 酸素吸収速度 | 3~10日 |
| 作業時間 | 2時間 |
エバーフレッシュKWXタイプ
高水分の食品(水分活性値0.85以上)専用タイプです。容器内の湿気を利用して酸素の吸収を始めます。湿度の高い作業場では酸素の吸収があるため、ご留意下さい。無地の白い吸収面を食品に向けて封入して下さい。
| タイプ | 鉄系水分依存型 高水分用 |
| 適用する食品 | 高水分の食品 |
| 商品使用例 | 白玉、半生麺、蒸しまんじゅう、どら焼き、チーズ、餅、味噌、生わかめ、佃煮など |
| 水分活性値(AW) | 0.85以上 |
| 酸素吸収速度 | 0.5~1日 |
| 作業時間 | 12時間 ※高温多湿の場所では6時間 |
キーピットYFタイプ
酸素吸収が早く炭酸ガスを発生しない特長を持っています。非金属性化合物でつくられていますので、金属探知機の検出感度が低くなっています。
| タイプ | 非鉄系自力反応型 金属探知機対応 |
| 適用する食品 | 水分量が多く傷みやすい食品 |
| 商品使用例 | ハム、ベーコン、フライ食品、菓子類など |
| 水分活性値(AW) | 0.30~0.90 |
| 酸素吸収速度 | 0.5~1.5日 |
| 作業時間 | 1時間 |
エバーフレッシュCOタイプ
酸素を吸収すると同時に、同じ量だけ炭酸ガスを発生させ、容器内の気圧を均等に保ち、袋の収縮を防ぎます。
| タイプ | 非鉄系自力反応型 金属探知機対応 |
| 適用する食品 | 脱酸素剤による袋の収縮を防止したい食品 |
| 商品使用例 | 豆菓子、穀物、煮干しなど |
| 水分活性値(AW) | 0.30~0.90 |
| 酸素吸収速度 | 1~3日 |
| 作業時間 | 1時間 |
エバーフレッシュSタイプ
青果物等で発生する炭酸ガスを、スピーディーに吸収する炭酸ガス吸収剤です。炭酸ガスを吸収することで、追熟、軟化、変色の進行を遅らせ青果物の鮮度を保ちます。
| タイプ | 炭酸ガス吸収型 青果物用 |
| 適用する食品 | 青果物用鮮度保持剤 ※脱酸素剤ではありません |
| 商品使用例 | 長芋・さとうきび・柿・りんご・ブロッコリー・枝豆・ぶどう・筍など |
| 水分活性値(AW) | 青果物に適用 |
| 酸素吸収速度 | ー |
| 作業時間 | 12時間 |



























